lamikomatematica’s blog

ワイン、数学、時々お蕎麦

純粋と情熱の間に

久しぶりに会った先輩。

会った途端に、当時と何も変わっていない気分になった。

「得意という気持ちはなかったのに、ただただ純粋に、私たちは数学が好きだったね」

そんな話しで盛り上がる。

素朴な感性に心地よさを感じる。

見栄もなく、

余分な競争心もなく、

誠実に、素直に、

だけどどこか情熱を持って数学や目の前の学生と関われる先輩は、とても素敵だった。

 

そこに置かれていた、手作りされた糸の包絡線。

その偽りのなさがまるで先輩のようで、

とても素敵に見えた。

 

夏の終わり、ようやく晴れる。

シングルマザー状態を続け、くたくたで迎えた夏休み。

 

友達の言葉と読書に救われた。

「仕事、やめた方がいいかな?」と悩む私に、

フェルマーみたいにやったら?」とあっけらかんとした口調で頓珍漢に返してくれる。

フェルマーみたいに数学ができれば悩みはないわよ」っておかしかったけど、

フェルマーでさえも、仕事をしていたことに気付かされる。

働こうと思えた。

 

もう一つ。

息抜きにと立ち寄った図書館のダイバーシティーコーナーの本が目に止まった。

米沢富美子さんの本だった。

こんなにも強く美しく生きる人がいるのかと、自分が恥ずかしくなったと同時に、まだまだやれる気がしたし、

「地球のどこかに、同じように踏ん張って頑張っている人を忘れないで」

という女性研究者の言葉を思い出した。

 

心が晴れた。

帽子、見つかる

「次のお休み、帽子買いに行こう」

おお、突然どうしたんだ?と思ったけど、

忙しい平日の夕方、子どもとの会話はテンポを優先させなくちゃ。

「いいね!どんな帽子?」

「・・・なんでもいい。」

「じゃ、リーバーサイドに行ってみようか」

「うん、えーっとね、、、プリキュアみたいなのがいいかな。」

 

約束通りの日曜日。

「あっちにあるよ!」

「こっちにもあったよ。」

「あら本当ね、どれがいいか見てごらん。」

「うーん、ここには可愛いのないなー。」

「あっちにもあるよ。」

 

あっちに行ってみると真剣に帽子を眺めてすぐに、これがいい!と選んでくれた。

「いいわね、それにしようか?、、、?
こっちはどう?キラキラがついてるけど。」

「うーん、そうだね、そっちがいい。」

「奥にはピンクもあるよ」

「あ、おくのピンクがいい。・・・ねぇ、紐ついてないけどいいよね?」

「・・?」

裏にさらにたくさんの帽子を発見した娘。

「まま、やっぱりこれがいい!」

力強い迷いのない声。

「そうだね!」

納得の帽子を娘が見つけられことが、

到底共感はできないデザインなんだけど、

なんか嬉しかった。

 

 

一緒に頑張ろうって言われると嬉しいね。

「簡単だからやってみたら」と言われ、
母親の私でも数学をしてもいいと思ってくれているんだ!と、
とてもとても嬉しくなって始めたHessenberg多様体の勉強。
variety, コホモロジー, グラスマン, チャーン類, オイラー数, トーリック、

昔よく聞いた言葉が並んでるわ、

と、そんな懐かしさに嬉しくなるのは束の間で、
さぁ、わからないことだらけにどう立ち向かおうかしら?

初期の論文を読み始めてみることにした。

少しだけでもわかりだしたら止まらないわね。
これからは、寝不足に注意しないと🎶

 


「お母さんは大変ですよね」はよく言われてきたけど、
実はあまり嬉しくはなかったかも。
「小さい子の母親なんだからできないのはしょうがないですよ」、
はちょっと辛かったり。

なんだろう、
我が子以外からお母さんと言われると、
少し寂しい感じになるときがあるのは。

だから、とりわけ嬉しかったわけよ。
数学やろうって言ってくれたときは。
多分、タイミングも良かったんだと思うけど。

論文読みが些細なワクワク

研究対象というか、分野を少し変えてみた。
基礎的な知識が足りないわけで、凹む。
大学生になったつもりで、基礎的なことを勉強しつつ論文を読む。
おかげで気持ちは若返る。
ついでに見た目も若返ればいいのに、と今日も私らしくネガティブ。

本当に少しずつすぎて、焦りそうになる。
だけど前に進んでいる。

だからちょっとだけワクワクしてみよう、
どうなるかな?っていう楽しみにかえて、
なんとか続けてみようと思う。

性に合わないけど、少しだけポジティブになってきている。

毎日のご飯にヒントをくれた寮の学生

私が食べるものを娘は美味しいと言わない。
娘のために何を作ればいいのか、
未だに迷うし、なかなか当たらない。
うどん、カレー、ハンバーグ、
ちらし寿司、餃子。

ワンパターン化して、飽きられて、
昨日まで食べていたものを急に
食べなくなった。

これはまずいな。。。

と困っていたところに
学生からいいことを教えてもらえた。

「寮の食事ってかなりの頻度でカレー味なんですよ。」

そうか子どもにはカレー味なんだ!

その日からカレーパウダーを何にでもかけてみた。

大当たり!

グッドのポーズで
美味しいといいながら、
パクパク食べてくれる娘。
教えてくれた学生は立派な二十歳の大人だったから、
カレー味はそんなにな感じだったんだけどね。

しかし、子どもができてからというもの、
食事を摂ることの大変さを実感している。
ご飯作りは、自分のためではない。
全ては子どものためである。
正直すごく疲れる。
たまには(いや、毎日)サボりたい。

各家庭でご飯の支度をするけどさ、
ご近所で当番制の仕組みができないかな、
と想像してしまう。

シンガポールのような外食文化だったら
もっと楽なのだろうか。

子ども食堂
もっともっと普及してほしい。
みんなで同じご飯を食べよう。
家族でなくても。

悩ましい年頃なんです。

今日もわからないことばかり。
若い頃はそんな時にネガティブに支配されていたけど、
わからない、だから始まるんだよって教えてもらえてから、
軽くなったし、楽しめるようになった。

「自分なりの理解を」これがすごくいい感じの言葉。

学生の悩みは過去の自分の悩みと重なる部分もあったりで。
少しでも彼、彼女たちの心を軽くしてあげられるように、
過去に自分が大学の先生たちから教えてもらえたことを、
なんとか記憶の奥から引っ張り出して伝えてみる。
どう捉えられたかはいつもわからないままだけど、
心から幸せを願って。

素直な彼女たちと、
いつか数学の自由性と楽しさを共有できたら素敵だなって
自分の夢が勝手に広がるばかり。

さ、頑張ろう。